結論:国の報告後に川崎市の独自手続きを重ねて確認

川崎市でも、工事部分の全材料を資格者が事前調査し、国の規模基準以上なら石綿事前調査結果報告システムへ報告します。市は電子報告した元請・自主施工者へ、立入検査等のためアスベスト使用建材一覧、分析結果、工程、案内図、住民周知計画などの提出を求める場合があります。

吹付け石綿・断熱材等の特定粉じん排出等作業は、大気汚染防止法の実施届を確認します。さらに市条例は、建築物の解体部分の床面積が80平方メートル以上で、かつ石綿含有成形板等・仕上塗材の使用面積合計が500平方メートル以上の解体工事に、石綿排出等作業実施届を設けています。

市条例の手続きは一律ではありません。吹付け石綿・断熱材・保温材・耐火被覆材の使用面積合計が50平方メートル以上の特定工事では、石綿濃度測定計画届と結果報告が必要です。市条例の結果報告・作業完了報告は作業完了後30日以内とし、国の届出、労働基準監督署、建設リサイクル、廃棄物も別に工程へ入れます。

川崎市で確認する4層の手続き
  1. 事前調査全工事で対象材料を資格者が判定
  2. 国の報告・届出電子報告・大防法実施届・労基署等
  3. 川崎市条例成形板等の実施届・周知、50㎡以上の吹付け材等の濃度測定
  4. 完了報告工程・写真・測定・作業結果を提出

事前調査と国の電子報告

事前調査結果報告の対象は、石綿含有の有無ではなく工事規模で決まります。建築物解体80平方メートル以上、建築物改修100万円以上などの基準を確認します。請負金額は材料費と消費税を含み、事前調査費を含まない扱いです。

同一工事を複数契約へ分けた場合は合算し、自主施工等も適正な請負代金相当額で判断します。報告基準未満でも事前調査・記録・掲示は必要です。

川崎市は主に建設リサイクル法対象規模の工事について、国の電子報告後に関連資料提出を依頼しています。石綿がない場合でも分析を委託したなら分析結果の写しを添付する案内があるため、市の最新ページを確認します。

事前調査結果報告と市への関連資料

事前調査結果報告と市への関連資料
項目主な内容注意
国の電子報告面積・請負金額等の基準で判定含有なしでも規模基準以上は報告
市独自一覧建材の箇所・種類・面積含有建材がある工事で作成
分析結果委託分析報告書の写し非含有結果も市案内で添付
工程・周知養生・除去・清掃・搬出、対象範囲工事と条例要件に応じ提出

大気汚染防止法の実施届と添付書類

吹付け石綿、石綿含有断熱材・保温材・耐火被覆材等の特定粉じん排出等作業は、発注者または自主施工者が大気汚染防止法の実施届を作業開始14日前までに提出します。川崎市はオンライン手続きと紙様式を案内しています。

添付には、付近見取図、特定建築材料使用状況図、養生・前室・集じん排気装置の図、工程表、施工要領、管理・緊急連絡体制、点検表、掲示、使用機材、住民周知計画等があります。

施工要領では、負圧集じん装置の台数算出根拠と管理方法、隔離・前室、除去・清掃・隔離解除までを具体化します。安全衛生・産廃資料と、市が届出添付として求める大気関係資料を区分します。

特定粉じん排出等作業実施届の主な添付

特定粉じん排出等作業実施届の主な添付
資料記載発注者確認
使用状況図建材箇所・主要寸法調査報告と一致
養生図隔離、前室、排気装置、排気口施設・近隣への影響
施工要領作業順、負圧台数根拠、管理異常時・完了確認を含む
工程・体制各工程、測定、産廃、緊急連絡届出期限と工期の整合

成形板・仕上塗材に関する川崎市条例の届出

川崎市条例には、石綿含有成形板等や石綿含有仕上塗材の除去等を行う解体工事を対象とする石綿排出等作業実施届があります。対象は、建築物の解体部分の床面積が80平方メートル以上で、かつ対象建材の使用面積合計が500平方メートル以上の工事です。元請業者または自主施工者が作業開始日の中14日前までに届け出ます。国の大気汚染防止法で実施届の対象でないレベル3建材でも、この二つの規模基準を確認します。

市の案内では、周知計画の提出対象として、吹付け材・断熱材等の除去等を行う工事と、成形板等・仕上塗材の除去等を行う延床面積80平方メートル以上の建築物解体工事が示されています。周知範囲は、特定粉じん排出等作業を行う区域の境界線から水平距離20メートル以内にある住宅、事業所、学校等です。

成形板・仕上塗材の届出添付には、使用状況図、幕等の養生図、工程表、施工要領、管理・緊急連絡体制、掲示、住民周知計画等があります。原形撤去・湿潤化・集じん・廃棄物を建材別に記載します。

レベル3工事で川崎市条例を確認する流れ
  1. 材料成形板等・仕上塗材の含有と範囲
  2. 工事規模解体部分80㎡以上かつ対象建材500㎡以上
  3. 市実施届図面・施工・体制・掲示を準備
  4. 住民周知作業区域境界から水平20m・方法・時期・資料
  5. 測定・完了条例の計画・結果・完了報告へ接続

50㎡以上の吹付け材等は濃度測定計画届を作る

吹付け石綿、石綿含有断熱材・保温材・耐火被覆材の使用面積合計が50平方メートル以上の特定工事では、石綿濃度測定計画届出書を国の実施届と併せて作業開始日の中14日前までに提出します。測定地点の見取図、試料採取条件・分析方法、作業開始前・期間中・完了後の測定日が分かる工程表を添付します。成形板・仕上塗材の工事へ自動的に適用される届出ではありませんが、50平方メートル未満や他の建材でも、市長が必要と認めた場合に測定を求められることがあります。

測定地点は建築物との位置関係を示し、作業時の風向を考慮して決める場合は測定機器を置く想定範囲を記載します。単に四隅へ固定せず、排気口、セキュリティゾーン、敷地境界、風向、近隣利用を踏まえます。

測定会社を施工会社と別契約にしても、工程変更が共有されなければ測定時期がずれます。元請が作業工程・測定・異常時追加測定・速報連絡を統合し、発注者が承認します。

石綿濃度測定計画届の添付

石綿濃度測定計画届の添付
資料記載確認
測定地点見取図建物・敷地・地点・想定範囲風向・排気・近隣との関係
測定方法採取条件・分析方法・機器目的と判定に適合
工程表開始前・作業中・完了後の測定日施工変更時の連絡
体制測定者・速報・異常時判断元請・発注者・市への連絡

測定結果は作業完了後30日以内に条件・写真と報告

石綿濃度測定結果報告書は作業完了後30日以内に提出し、測定日時、地点、測定値、気温・風向・風速、捕集装置・分析装置等の条件、測定中の写真を添付します。数値の一覧だけでは、どの作業・風向・位置で測ったか分かりません。

測定結果は作業基準の実施状況と合わせて評価します。低い数値でも取り残し、負圧・排気、湿潤化、廃棄物、清掃の確認は別に必要です。高い・異常な結果が出たときの作業停止、再分析、周辺確認、行政連絡を計画します。

測定中写真は撮影日と測定位置が判別でき、図面と対応させます。分析報告書の試料番号、捕集時間、流量、分析方法が市の結果報告と一致するか確認します。

測定結果報告の構成

測定結果報告の構成
項目記録照合先
結果日時・地点・測定値計画届・工程
気象気温・風向・風速地点選定・周辺影響
条件捕集・分析装置、時間、流量、方法分析報告書
写真測定中・地点・撮影日見取図・試料番号

国・市条例の完了報告は30日以内|届出者を分ける

国の大気汚染防止法による実施届に対応する作業完了報告は発注者または自主施工者、市条例の実施届に対応する作業完了報告は元請業者または自主施工者が、作業完了後30日以内に提出します。両方の実施届の対象なら、それぞれの届出に対応する完了報告が必要です。実施工程表と、養生前・養生後・作業中・作業後の写真などを添付し、集じん・排気装置の記録や測定中写真も対象に応じてそろえます。

完了時に過去の工程を撮り直すことはできません。着工前に写真台帳を作り、工区・建材・工程・撮影日・図面位置を割り振ります。届出計画から変更した場合は実施工程表に変更を記載します。

作業完了報告は、元請から発注者への法定作業結果報告、労働安全の記録、廃棄物マニフェストとは別です。共通する写真・点検を一つの原本台帳で管理し、提出先ごとに必要様式へまとめます。

完了報告へ残す写真の時系列
  1. 施工前建材・範囲・周囲・掲示前
  2. 養生後隔離・幕・前室・排気・掲示
  3. 作業中湿潤・原形撤去・負圧・測定・廃棄
  4. 確認取り残し・清掃・測定・是正
  5. 完了後養生撤去・復旧・保管・周辺

住民周知は範囲・時期・内容を具体化する

市の案内では、周知範囲を、特定粉じん排出等作業を行う区域の境界線から水平距離20メートル以内にある住宅、事業所、学校等として地図上に示します。ポスト投函、個別訪問説明等の方法と周知時期、配布資料を計画します。

周知資料には、工事名称・場所・期間、調査結果、対象建材、作業方法、飛散防止、測定、連絡先、休日・時間帯を分かりやすく記載します。専門用語だけで「レベル3だから安全」と断定せず、具体的な対策を示します。

掲示は住民周知の代わりではありません。全ての解体等工事で事前調査結果の掲示が必要で、含有建材を除去する工事では作業のお知らせも確認します。含有なしの場合も事前調査結果の掲示が必要です。

住民周知計画の確認

住民周知計画の確認
項目記載証拠
範囲作業区域境界から水平20m以内の住宅・事業所・学校等地図・対象件数
方法・時期投函・訪問・説明、実施日配布記録・訪問記録
内容建材、工法、期間、対策、測定、連絡配布資料の写し
掲示事前調査結果・作業のお知らせ設置位置・近景・遠景写真

川崎市への事前相談と発注者チェック

川崎市の様式・早見表・ガイドラインは2025年末から2026年に更新されています。以前の現場で使った書類を流用せず、建物所在地、工事内容、延床面積、請負金額、建材、工法、測定、着工日を整理して環境対策推進課へ相談します。

オンライン手続きは、国の石綿事前調査結果報告システムと、オンライン手続かわさきで入口が異なります。どの様式をどのシステムへ出したか、受付番号・提出日・補正を管理します。

発注者は、調査・報告・届出・周知・測定・作業・廃棄・完了の担当者を役割表へ記載します。国の大気汚染防止法による実施届と、それに対応する完了報告は発注者または自主施工者、市条例の実施届・濃度測定計画・結果・完了報告は元請業者または自主施工者が提出します。両制度の対象なら両方を管理し、発注者は提出控えと説明内容を確認します。

  • 事前調査結果報告システムとe-KAWASAKIを区別する
  • アスベスト使用建材一覧と調査報告の範囲を一致させる
  • 国の実施届と市条例の実施届の提出者・中14日期限を判定する
  • 50㎡以上の吹付け材等の測定計画と、結果・完了の30日期限を工程へ入れる
  • 作業区域境界から水平20m以内の周知と現場掲示を別々に実施する
  • 写真・測定・工程変更・廃棄物を発注者が受領する