さいたま市は埼玉県の県所管区域と分けて考える

埼玉県の石綿手続・濃度測定・完了報告の案内は、権限移譲市と県所管区域で窓口が分かれます。さいたま市内の工事は市環境対策課の条例・様式を確認し、県の様式や県補助の金額をそのまま適用しません。

特に補助制度は、埼玉県制度ではさいたま市が対象区域から除かれています。一方、さいたま市には市独自の吹付けアスベスト分析・除去等補助があります。法令窓口と補助窓口を同じ制度だと思わず、それぞれ市へ確認します。

さいたま市は埼玉県の県所管区域と分けて考える:比較・確認表

さいたま市は埼玉県の県所管区域と分けて考える:比較・確認表
確認系統さいたま市で見る内容主な時期
事前調査・結果報告市公式案内と電子報告見積・着工前
レベル1・2の法定届特定粉じん排出等作業実施届出書作業開始14日前まで
市条例石綿濃度測定計画・敷地境界測定届出前から完了後
近隣周知市のリスクコミュニケーション指針掲示前が望ましい
完了報告測定・写真を含む市様式作業終了後30日以内
市補助吹付け材の分析・除去等契約・着手前

レベル1・2は法定届と濃度測定計画を14日前までに提出

届出対象特定工事の発注者または自主施工者は、特定粉じん排出等作業実施届出書と、市条例の石綿濃度測定計画書(様式第24号)を作業開始14日前までに市へ提出します。元請はそれより前に、測定予定日と測定場所を書面で発注者へ説明します。

添付資料には、含有箇所図、工程、施工要領、隔離・前室・集じん排気位置、各種点検記録、施工体系、産業廃棄物処理経路、測定方法・回数・位置と選定理由などが含まれます。調査報告書、仮設計画、測定計画を別々に作らず、図面上で整合を確認します。

さいたま市レベル1・2工事の管理順序
  1. 含有範囲確定建材・面積・工区を図面化
  2. 施工・測定計画養生・排気・境界測定を統合
  3. 発注者説明測定日・場所を14日前までに説明
  4. 市へ届出法届と様式第24号を同時提出
  5. 完了報告測定・写真を30日以内に提出

敷地境界測定は面積と作業期間で地点・回数が変わる

市条例ではレベル1・2工事について、作業開始前・作業中・完了後の敷地境界における濃度測定が必要です。測定方法はアスベストモニタリングマニュアル第4.2版またはJIS K 3850-1を用い、旧告示93号の方法は不可と市が明記しています。

届出対象建材の合計が50㎡以上の除去作業では、開始前・完了後に主風向の風上・風下2地点、作業中は風上・風下2地点と主風向に垂直な2地点で測定します。作業期間が6日を超える場合は6日ごとに1回以上です。50㎡未満など別区分では地点が異なるため、対象工法と面積を市へ確認します。

敷地境界測定は面積と作業期間で地点・回数が変わる:比較・確認表

敷地境界測定は面積と作業期間で地点・回数が変わる:比較・確認表
測定時期50㎡以上の対象除去作業工程上の注意
作業開始前主風向の風上・風下2地点養生・除去開始前に基準値を確保
作業期間中風上・風下2地点+垂直方向2地点6日超は6日ごとに追加
作業完了後主風向の風上・風下2地点完了報告用結果の納期を確保

50㎡以上の除去とそれ以外で測定点を取り違えない

さいたま市の測定計画では、レベル1・2のうち50㎡以上を除去する工事と、それ以外の届出対象工事で必要な地点数が異なります。見積書に『濃度測定一式』とだけ書かず、対象面積、工法、作業日数、各時点の地点数、分析回数を明細化します。

50㎡以上の除去では、作業前・後に主風向の風上・風下、作業中に風上・風下と主風向に垂直な二方向を設定します。それ以外の届出対象工事では、作業前・後は風下1地点、作業中は風上・風下2地点が基本となるため、同じ測定点図を使い回せません。

測定場所は敷地境界を基本に、集じん排気口、建物配置、隣地との距離、障害物、当日の主風向が分かる図面にします。作業が6日を超える場合の追加測定と、複数工区を順に施工する場合の実施日を工程表へ紐付け、検体の取り違えを防ぐ管理番号を付けます。

50㎡以上の除去とそれ以外で測定点を取り違えない:比較・確認表

50㎡以上の除去とそれ以外で測定点を取り違えない:比較・確認表
測定時期50㎡以上の除去作業それ以外の届出対象工事
作業開始前主風向の風上・風下2地点主風向の風下1地点
作業期間中風上・風下+垂直二方向の計4地点主風向の風上・風下2地点
作業完了後主風向の風上・風下2地点主風向の風下1地点
作業が6日超6日ごとに1回以上を工程化6日ごとの追加要否を計画時に確認

1本/Lの報告目安と10本/Lの基準を別々に管理する

さいたま市条例の敷地境界基準は10本/Lですが、市の事業者向け資料は1本/Lを超えた段階でも市へ報告するよう求めています。10本/L未満なら問題なしと判断せず、1本/L超を早期の確認・連絡ライン、10本/Lを条例基準として二段階で管理します。

数値が上がったときは、除去作業の継続だけを優先せず、作業停止の要否、隔離・負圧・集じん排気装置、セキュリティゾーン、開口部、測定条件を確認します。迅速測定と公定法による測定の役割、速報値と確定値の扱いを事前に決め、市への連絡時刻と指示内容を記録します。

計画から排気口、作業区画、除去面積、工法または測定地点を変える場合は、現場判断だけで測定を続けず、届出図面・測定計画の変更要否を環境対策課へ確認します。異常値への対応記録は、完了報告と発注者報告の双方に同じ内容を添付します。

さいたま市で濃度測定結果を受けた後の流れ
  1. 測定値を受領地点・時刻・風向・工区を照合
  2. 1本/L以下設備点検結果とともに記録を継続
  3. 1本/L超市へ報告し、養生・排気・測定条件を再確認
  4. 10本/L基準も判定条例基準への適合と必要措置を確認
  5. 再開・変更市の指示、是正、再測定を記録して共有

近隣周知は全ての解体等工事を対象に計画する

さいたま市は、全ての解体等工事について、事前調査結果、作業期間、作業方法、飛散時の対応を周辺住民と共有するリスクコミュニケーションを案内しています。方法は説明会、戸別訪問、チラシ、回覧などで、説明会・戸別訪問が望ましいとしています。

実施時期は事前調査結果の掲示前が望ましいとされ、レベル1・2工事で実施した場合は実施後報告書により市へ報告します。法定掲示だけで周知を済ませず、住居・学校・医療施設など周辺状況に応じて説明範囲と連絡窓口を決めます。

作業後30日以内の完了報告から逆算して記録する

レベル1~3の特定工事では、元請等が作業記録を作成し、工事終了日から3年間保存し、終了後遅滞なく発注者へ書面報告します。レベル1・2では、発注者または自主施工者が作業終了後30日以内に市へ完了報告書を提出します。

市は完了報告の写真に日付・工区・工種を明記するよう案内しています。測定計画と実績の差、含有材の種類・面積・箇所、施工・養生・排気・清掃・取り残し確認、濃度測定、廃棄の記録を施工中から案件台帳へ追加します。

届出方法、A3掲示、近隣報告を一つの提出工程にする

法定届と市条例の測定計画は、窓口持参のほか郵送や電子メールによる提出方法も市が案内しています。持参・郵送で受領控えが必要な場合は2部を用意し、郵送では返信用封筒を確認します。電子メールは添付容量の上限が3MBとされているため、図面を分割して送る前にファイル構成と到達確認の方法を担当課へ相談します。

事前調査結果等の掲示はA3以上で公衆から見やすい位置に設置します。石綿含有建材がある場合は解体等工事着手7日前から工事終了まで、ない場合も工事着手前から終了まで掲示するという市の案内に合わせ、掲示日と撤去日が分かる写真を残します。

近隣へのリスクコミュニケーションは法定掲示と別の実務です。対象範囲、配布先、説明日、質問と回答、計画変更を記録し、レベル1・2工事で市への実施後報告が必要になる場合は工事開始前日までなど所定の期限を確認します。提出方法ごとに受領メール、受付印、郵便追跡を案件台帳へ保存します。

令和8年度の市補助は分析受付中・除去等は受付終了

さいたま市の2026年6月19日更新ページでは、令和8年度の除去等事業は予算上限に達して受付終了、分析調査事業は受付継続中と案内されています。分析調査は市内の対象建築物にある吹付け材が対象で、外壁塗装材は対象外、上限は1棟25万円です。

申請期間は各年度4月1日から11月30日までとされていますが、予算状況により早く終わる場合があります。申請前の事前相談と着手前申請が必要です。市の補助対象分析だけで工事範囲全体の法定事前調査が完了するとは限らないため、両方の範囲図を照合します。

分析調査では分析機関からの見積書を複数求めるなど、申請書だけでは分からない添付条件があります。除去等は補助率3分の2・上限600万円という制度枠があっても、令和8年度分は受付終了です。次年度制度の継続を前提に契約せず、受付再開、対象となる吹付け材、大企業除外、交付決定後の契約、完了後30日以内かつ1月31日までの実績報告を最新要綱で確認します。

補助の受付状況は変わります。契約・採取・除去へ進む前に、さいたま市建築総務課の最新ページで受付と交付条件を再確認してください。

さいたま市案件の着工前確認

  • 県所管手続・県補助ではなく、さいたま市の条例・市制度を確認した
  • 法定届と石綿濃度測定計画書を作業開始14日前までに出す工程にした
  • 50㎡基準、作業期間、主風向から測定地点・回数を確定した
  • 近隣周知を掲示前に行い、レベル1・2では実施後報告を準備した
  • 作業後30日以内の完了報告用に日付・工区・工種入り写真を残した
  • 市補助は分析受付中・除去等受付終了という現状を契約前に再確認した
  • 法令手続、建設リサイクル法、労働安全衛生、廃棄物手続を別々に管理した